「なかったものをカタチに」:マイクロサポート流の技術開発プロセスに迫る


1. なぜ、マイクロサポートには「プロセス」が必要なのか

 私たちマイクロサポートが世に送り出すマイクロマニピュレーターや関連機器は、多くの場合、市場に「前例がない」課題を解決するために生まれます。

 市場の潜在的なニーズから生まれた標準品を主軸としつつ、一部で個別のご要望に応じたカスタム品も提供します。だからこそ、開発、設計、製造、そしてお客様との対話に至るまでの「プロセス」が極めて重要になります。

 私たちの開発プロセスは、単なる製造ラインではありません。それは、お客様の潜在的なニーズを掘り起こし、技術者としての知恵と挑戦を結集して「なかったものをカタチにする」ための、柔軟で高速な問題解決エンジンなのです。

本記事では、企画から製造、顧客のブレイクスルーまで一貫して関わるマイクロサポート流の開発プロセスに迫り、経験者のあなたに提供できる「仕事の面白さ」についてお伝えします。

2.マイクロサポート流 技術開発の3つのフェーズ

 私たちの開発は、営業部門と技術部門が密接に連携し、職種や部署の垣根を超えて進められます。ファブレス体制でありながら、企画・設計・最終確認検査といった開発の中核を自社で担うからこそ実現できる、開発者の裁量とスピード感が特徴です。

フェーズ1:【顧客との壁打ち】「生の声」を技術的な要求へ

 当社の製品は、現場の課題解決から始まります。

 まず、「考える営業」がお客様の研究室や製造現場に深く入り込み、共通して存在する技術的な課題の本質(「なぜこの操作が困難なのか」「どれくらいの精度が必要なのか」)を掴み、「生の声」として持ち帰ります。このインサイトが、次なる標準品の企画の源泉となります。

 この段階から、技術者が直接、営業や顧客と対話に参加することが非常に重要です。

  • 経験者に求められる役割: 持ち帰られた定性的な課題に対し、「それは機械工学的に可能なのか?」「制御ソフトウェアで実現するには?」といった技術的な視点から問題提起を行い、まだ形になっていないアイデアを実現可能な要求仕様(設計要件)へと落とし込みます。この初期段階での先見性と判断力が、製品の成功を左右します。

フェーズ2:【設計と試作の高速PDCA】ファブレスを活かした開発体制

 企画設計のフェーズに入ると、当社の強みである開発体制が活きてきます。

 私たちはファブレス企業として、ほとんどの製造工程を外部の協力会社に委託しています。この体制は、標準品とカスタム品で役割が異なります。

  • 標準品の場合: 社内で設計と最終確認検査のみを行います。製造工程の外注化により、自社リソースを製品の核となる設計開発と品質保証に集中させています。
  • カスタム品の場合: 設計を社内で行い、部品加工を外注した後、組立以降の工程を社内で行い、お客様の要求に細やかに応えます。

 ファブレス開発のメリット: 設計変更が必要になった場合、標準品においては部品加工の専門外注先との迅速な連携により、試作と検証のPDCAサイクルを極めて迅速に回すことができます。たとえば、「制御の応答性を上げるために、この部品の剛性を上げたい」というフィードバックがあれば、すぐに設計に反映させ、外注先と協働して改善することが可能です。

 経験者に求められる役割: 各技術分野(機械、制御、ソフト)の専門性を持ち寄り、お互いの知見を共有しながら最適解を見つけ出すチームワークと推進力が求められます。また、外注先の技術力を最大限に引き出し、設計思想を正確に伝えるマネジメント力とコミュニケーション能力も重要です。

フェーズ3:【世界へ届ける品質評価】唯一無二の製品を支える信頼性

 超精密機器において、品質は命です。

 私たちのマニピュレーターが国内外の最先端研究を支えるには、長期にわたる安定稼働と、カタログスペック以上の信頼性が不可欠です。

 標準品・カスタム品ともに、出荷前には、独自に設定された厳しい評価基準に基づき、熱や振動ノイズに対する耐性、繰り返し精度などが徹底的にテストされます。この最終確認検査は、ファブレス体制における品質保証の要であり、設計者がフィードバックを得るための重要な機会です。

 経験者に求められる役割: 常に「なぜこの精度が必要なのか」という本質を問い、製品のライフサイクル全体を見据えた品質設計と改善に貢献できる視点が期待されます。

3.開発の裏側:苦労と喜びのエピソード

苦労話:困難を乗り越えた技術者魂

 新しい原理や機構に挑戦する際、困難はつきものです。特に、数ミクロンの世界では、想定外の現象が必ず発生します。ある製品開発では、特定の駆動周波数で共振による極めて微細な振動が発生し、制御が不安定になる問題に直面しました。

 この時、私たちは、「既存の方式に囚われない」という信念のもと、機械設計者と制御設計者が徹底的に議論し、構造の根本的な見直しと独自のアクティブ制振技術を組み合わせることで、ノイズを完全に抑制することに成功しました。困難に直面した時こそ、技術者としての意地と成長が問われます。

喜び:「不可能」を可能にした時の感動

しかし、このプロセスを経て完成した製品が、お客様の研究をブレイクスルーさせた時の喜びは格別です。

 「これまでは手作業で数日かかっていた作業が、御社の装置で数時間で終わるようになった」「他社では『不可能だ』と言われた要求が、マイクロサポートで実現できた」— —このような感謝や感動の言葉は、技術者としての達成感を何倍にもしてくれます。私たちは、お客様のブレックアップ(歓喜)を目指して開発に取り組んでいます。

4. 経験者へ:プロセスを改善する視点に期待

 私たちは、あなたのこれまでの経験を、製品の設計・開発だけでなく、「プロセス全体の最適化」にも活かしてほしいと強く願っています。

 特に、標準品を主軸に手離れ良く販売していくという方針において、「顧客へのヒアリング方法に改善の余地はないか?」「ファブレス体制において、設計品質を高める仕組みを強化できないか?」と、現状のプロセスに対し問題提起し、改善を提案できる経験者を求めています。

 自社開発の環境で、企画、設計、そして品質管理という幅広い領域で裁量を持ち、あなたの技術者としてのキャリアを一段階高めたい方。そして、「なかったものをカタチに」する喜びを追求したい方。

 まずはカジュアル面談で、当社の開発プロセスについて、あなたの視点からご意見を聞かせていただけませんか?

 私たちは、あなたの技術者としての新たな挑戦を、心からお待ちしています。

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